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「ロボット」と暮らす未来
喜多見 康
我々人類は道具を造り、使うことで繁栄し、文明を築いてきました。産業革命以降は「機械」という名の新しい道具が飛躍的な発展を遂げ人類はそれに引きずられるように、やや早足過ぎる歩調で進歩の道を歩んで来ました。
機械が究極の進歩を遂げた到達点に、我々は「ロボット」という姿を夢見ています。その「ロボット」は自律性を保ち、自己判断をし、自分で行動を決定することができるようになるはずです。そうなれば「ロボット」は我々人類から文字通リ「自立」する存在になります。道具を我が分身のように愛で、共に手をたずさえて進化の道を勝ち残って来た人類は、その時始めて自分の道具であったはずの「機械・ロボット」と対等に向き合うことを求められるのです。
それは、あたかも自分が庇護し育ててきて完全な優位を保ってきたはずの子供が自立することで、親と対等な関係を結び直すことを迫ってくる「子離れ」の状況と良く似ています。正常に運んだ親子関係ならば、親もわが子を育てることで、人間的に進歩してきたのですから「子離れ」はスムーズに行われ、二つの世代の異なる価値観が融合する、新しい家族(社会)が作られます。しかし、親がきちんと進歩しなかった親子の場合は、親が子供を一方的に抑圧したり、服従させようとしたり、正常な「子離れ」ができません。
はたして我々人類は「その日」までに正常な進歩を遂げ、きちんと「子離れ」し「ロボット」という新しいパートナーと共に、新しい豊かな社会を築いて行くことが出来るのでしょうか?
その意味で「ロボット」を作ることは、それがそのまま未来社会を形作ることになります。それならば「ロボット」をデザインすることを工業デザインだけにまかせておくことはできません。未来社会を形作るために、科学技術と芸術、感性が互角に力を合わせることが必要です。
論理的な思考を司る左脳と、情緒的、芸術的な感性を生み出す右脳とが力を合わせて完全なバランスの取れた人間になるように、人間の未来も科学技術と芸術が寄り添い協力しあうことでバランスの取れたものになるのだと考えます。科学技術や経済原理といった、左脳の思考優先で発展してきた20世紀までの社会は、それゆえに物質的な発展は遂げましたが、そのかわりに大きな代償を払ってきたことも否めない事実です。科学技術と美や喜びが共存する、未来社会に夢を託して、素敵なロボットデザインがたくさんの芸術家の手によって産み出されることを心から希望します。
その思いを込めて、日本を代表するCGアーティスト8人の手による「ロボットCG作品展 Roboart 2002」を開催いたします。デザイン、イラストレーション、アニメーションなど様々な分野で活躍する、CG(コンピューターグラフィックス)アーティスト8人が「ロボット」をテーマにした静止画、動画を発表します。
ファンファンラボURL:http://www.honda.co.jp/fanfunlab/
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